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沿革・概要

 経済社会リスク研究機構は、平成26(2014)年度予算において、特別経費(国際的に卓越した教育研究拠点機能の充実)事業として設置が認められた研究組織であり、一橋大学経済研究所では、平成19(2007)年に設置された世代間問題研究機構に次ぐ、4つ目の研究センターとなる。

 経済のグローバル化を反映して、リーマンショック、ユーロ危機、タイの水害など、予期されない海外のショックが日本の経済社会に毎年のように大きな影響を与えている。国内でも、東日本大震災によるサプライチェーンの寸断やその後の電力危機は、予測困難な災害が経済社会にもたらす影響の大きさと、こうした事態に即応することの重要性を示した。

 金融危機や震災などの予期できない危機に加えて、日本ではかねて予想されてきたいくつかの深刻な経済社会リスクが顕在化しつつある。少子高齢化や生産性の低迷を背景とする財政・社会保障制度の破綻懸念の高まり、非正規雇用の拡大による日本的雇用システムの変容、生産の海外移転や集積利益の喪失による製造業の急速な衰退、急進的な金融緩和政策による資産価格や一般物価水準の急上昇の可能性はこれらの例である。

 本機構は、上記のような将来の経済社会リスクを研究対象とし、現出した危機への的確かつ迅速な対応を可能にする研究を行うとともに、官民と連携して、エビデンスに基づいた政策立案を行う高度統計実証分析人材の育成を目的とする。事業の実施を通じて、危機に対してより頑健な経済社会制度の設計およびその構築を目標としている。